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書籍 「営業マンは断ることを覚えなさい」 ~ 誕生秘話と軌跡 ~

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すべてはこの1冊の本から始まった......。
そうです、私が6年ほど前に自費出版した、100ページ足らずの小冊子「営業マンは断ることを覚えなさい」のことです。

と言っても、この小冊子は販売を目的に作ったものではなく、『主導権を持った営業スタイルやマーケティグの知識』を顧問先の幹部社員に教えるために、研修資料(レポート)としてまとめたものだったのですが、その内容が評判になり、自然とクチコミされたことで、自費出版することになったのです。

当時、私は秘書と2人でコンサルティング事務所を経営していましたから、当然自社に「営業マン」などおりませんでしたが、私自身はずっと主導権を持って顧問先を選びたいと考えてきました。つまり、お客さんが手を挙げてずーっと待ってくれている状態を作り、そこから選んで順番に顧問していく...というような仕事のスタイルを望んでいたわけですが、この小冊子を使って「売れるしくみ」を作ることで、理想的な仕事のスタイルが実現するかもしれない......!! そんな予感に突き動かされるように、今思うと驚異的な速さでマーケティングを構築していったのです。

小冊子を最初に出版したのは、2001年の7月のことです。今だから話せますが、その頃の私は、満足にパソコンも使えない状態でした。一応2台のパソコンを持ってはいたのですが、1台目は触りもせず、2台目は秘書が使い...といった感じで、インターネットなんか、特殊な人がやるもんだ、と思っていたんです(笑)。

ですから、最初に試したのは、経営者の団体などの機関紙や業界紙に広告を掲載して、販売する、という方法でした。ちなみに広告のサイズは、6cm×8cmという小さなもので、料金も2万4千円程度だったと思います。小冊子の値段は、1冊800円(買いやすく、たとえ内容が気に入らなくても後悔しない価格帯を設定しました)。ざっくり計算して、印刷代などの原価は半分ですから、この広告で60冊売れれば広告費が回収でき、永遠に広告が出し続けられる、ということになります。

私は、これをテストマーケティングと考えていたので、広告の文章もその都度変え、反響の数をすべてデータに残しました。1回の広告で一番売れたのは、なんと378冊!その後の追加注文も合わせると600冊以上売れたこともありました。アルバイトの人にも来てもらい、毎日深夜まで梱包したのも今では懐かしい思い出です。


この方法は、確かに効果がありましたが、広告というものは、どうしても頼んでから実際に掲載されるまでのタイムラグが発生します。世の中が日増しにスピードアップしていくことを肌で感じていた私は、そのタイムラグに対し、しだいに違和感を覚えるようになったのです。

折りしも、顧問先で「メルマガ」のことが話題になりました。「先生、とっても面白いメルマガがありますから、ぜひ読んでみてください」と言われたのです。恥ずかしながら、その頃の私は、「メールマガジン」の存在さえ知りませんでした(――;)

しかし、ピン!ときた私は、そこから持ち前の好奇心とバイタリティを楽しく発揮して、メールマガジンとホームページを使ったWebでの「売れるしくみ」の構築に当たります。今でこそ、「Webマーケティング」という言葉も当たり前のように使われていますが、たぶん私が、このしくみで本を売った最初の人だと思います(*^^)v

当時の私には、ホームページが「チラシ」に見えました。つまり、今まではお金を投資して広告を出すことから始まったマーケティングを、そっくりそのままWebに置き換えればいい、と瞬時にわかってしまったのです。メルマガとホームページを使えば、自分の思いのままの内容で、しかもタイムリーに、おまけに『ほぼ無料で』行えるわけですから、私が興奮して、夢中になった気持ちもおわかりいただけることでしょう。

あれから、約5年の歳月が流れ、インターネットを初めとする私たちを取り巻く環境も随分と変わりました。今では、ネットオンリーで情報商材を売る人たちも大勢表れましたが、私自身は、Webマーケティングもそろそろ次のステップへ進むべきだと考えていました。

そんななか、「営業マンは断ることを覚えなさい」の文庫化が決定し、私は今、次のステップへ向けてのテストマーケティングの一環として、この「断る営業.com」を運営しています。というのも、年間にものすごい数の新刊が出る昨今では、本の寿命(本屋さんの店頭に並ぶ期間)はせいぜい半年。良い本はずっと売れるべきなのに、それを許さない現実があります。もちろん、ネット書店もありますが、莫大な書籍の中からは、目的意識がなければ、本は探せません。そこで、私は専用サイトを作り、有益な情報提供を続けることで長く本を売ろう、と考えたのです。

こうして「営業マンは断ることを覚えなさい」は、情報化社会とともに進化を続けるわけですが、マーケティング事例としても、かなりユニークな存在だと思います。以下、事実を年表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

2001年7月   小冊子版を自費出版
主導権を持った営業スタイルとマーケティングの知識を、ある顧問先の幹部社員に教えるために作った研修資料(レポート)が評判になり、クチコミされたことをきっかけに小冊子として自費出版する。この小冊子は、自社サイトと、講演会や勉強会会場で販売しているだけだが、トータルで1万7千冊以上売れている。

広告の掲載を開始
小冊子の紹介広告を、経営者の団体などの機関紙や業界紙に掲載し、テストマーケティングを繰り返す。"集客"のみを目的にした小額の広告だったが、一度の掲載で最大378冊、追加注文など合わせると600冊以上売れたことも。

2002年3月   日本経営教育研究所のホームページ開設
従来の広告戦略から、Webを中核に置く「売れるしくみ」に変革すべく、その第一歩として、自社のホームページを立ち上げる。パンフレット型の企業サイトが一般的な中、見込客フォローを目的とした情報提供型のサイトを構築。情報化時代の新しいマーケティングの模範となるサイトを目指し、情報の出し惜しみをせず、コンテンツの充実を図る。

メールマガジン「営業マンは断ることを覚えなさい」創刊
小冊子で読んだ内容を、毎週1回(月曜日の朝9時)に配信されるメルマガを見ることで思い出してもらい、「主導権を持った営業スタイル」を、本当に自分のものとして身につけてもらうことを意図した。と同時に、メルマガはオープンマーケットからの集客ツーツともなり、文字通り自社の「営業マン」となった。

2002年7月   CD版を制作・発売開始
車で移動する営業マンから、本の内容を車の中で聴きたいとのリクエストが殺到したことからCD化を決定。自ら朗読し、オーディオブックのはしりともいえるCD版「営業マンは断ることを覚えなさい」の発売を開始する。

2002年8月   メールマガジン読者1万人突破
創刊約4ヶ月での読者1万人突破は、当時H系サイト以外での日本最短記録で、さらに02年度で一番読者数を伸ばしたメルマガとなるが、それに満足することなく2万人を目指す。

2003年2月   メールマガジン読者2万人突破
創刊から1年を待たずに読者2万人を突破する。
 
単行本「営業マンは断ることを覚えなさい」出版
小冊子の内容をグレードアップし、明日香出版社より単行本として出版。メルマガとホームページで完全に売れるしくみが完成していたため、書籍の発売前から予約が殺到。Amazonのビジネス書籍部門で、発売前にもかかわらず1位を獲得する。

発売とほぼ同時に重版決定
書籍発売以来約2週間、Amazonでビジネス部門のトップを独走。オールアバウトジャパン他から取材を受け、今までの経緯を正直に話したところ、Webを中心としたメディアで話題となり、世の中に"メルマガブーム"が到来する。まもなく書籍の重版も決定。以後、トータルで10万部以上売上げることとなる。

2003年9月   「営業マンは断ることを覚えなさい 戦術・戦闘編」出版
前作は、マーケティングの考えをもとに、経営者に向けた内容が重視されたものだったが、断る営業・主導権を持った営業スタイルを、営業マン個人レベルが、どう行うかを分かりやすく解説した本の必要性が高まり、続編として「戦術・戦闘編」を出版。

2003年10月   小冊子・『大切なのは「売り方」』発売開始
大人気メルマガに成長した「営業マンは断ることを覚えなさい」の『"売れるしくみ"を作る今週のヒント!Q&A』に加筆修正を加え、小冊子として発売。これは、星和ビジネスサポートさんとのコラボレーションで制作したもので、社員研修用テキストに採用されるケースも多い。

2007年8月   文庫版「営業マンは断ることを覚えなさい」出版
三笠書房の知的行き方文庫として、「営業マンは断ることを覚えなさい」の文庫本を出版。文庫化に際しては、まるまる1章分を加筆し、ますます内容の充実を図る。

営業の本質とマーケティングを学ぶサイト「断る営業.com」オープン
文庫本の出版に合わせて、「断る営業.com」をオープン。一方的に情報を発信するだけでない、ユーザー参加型の情報サイト。サイト上での交流を通して、情報化時代の新しい営業像を皆で作り上げていけるような、スペシャルな「メディア」にすべく試行錯誤を重ねる。